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著者:為替カバ 更新日:2024年9月26日
アメリカドル(米ドル)円の見通し(今後)
こんにちは、為替カバです。
米ドルは世界で最も取引量が多い、基軸通貨※です。
※基軸通貨:国際通貨の中で中心的な役割を持つ通貨
さらに2015年以降、米ドルの政策金利が上昇しており、今後も上昇が見込まれるため、FXスワップトレーダーにも注目されつつあります。
そこで、米ドル円の今後の見通しについて、以下の点を調べながら予想しました。
- 米ドル円の過去10年のチャートで値動きを考察
- 米ドル円の史上最安値と、その原因
- アメリカ国内のGDP(経済)成長率見通し
- アメリカ政策金利は為替に影響する?
- 2023年 米ドル円の今後の見通しは?
- 米ドル円の見通しに関係なく、高いスワップ益を受け取るには?
1.アメリカドル(米ドル)円の過去10年のチャートで値動きを考察
米ドル円を長期間保有する場合、気になるのが過去の値動きです。
そこで、過去10年間米ドル円がどう推移してきたのか、為替チャートで確認しました。
特に、為替レートが大きく動いた原因を調べることで、今後の見通しをある程度予測することができます。
上の図は、米ドル円の過去10年の為替チャートです。
特に大きな値動きが6回発生しています。
①2008年9月~2009年2月の米ドル円暴落相場
100年に1度と言われる、世界金融危機の影響で、比較的安全とされる円が買われ、多くの高金利通貨が暴落しました。(米ドルの政策金利は当時2.00%です)
この影響で米ドル円為替レートは、2008年9月~2009年2月にかけて、108.43円→89.69円と、20円近く下落しました。
②2010年5月~2010年11月の米ドル円下落相場
ギリシャの財政赤字を皮切りとした欧州不安の高まりで、安全資産とされやすい円に資金が流入しました。
そのため米ドル円の為替レートは、2010年5月~2010年11月にかけて94.02円→80.35円と、約15円下落しました。
③2012年10月~2013年6月の米ドル円上昇相場
・安倍氏の首相就任で市場の政策期待が高まり、リスクオンムードが強まった
・黒田日銀総裁が就任し、期待インフレ率を2%にまで高める新金融緩和策を打ち出した
・アメリカの量的金融緩和政策
という、ドル高(円安)要因が発生し、米ドル円の為替レートは2012年10月1日~2013年6月にかけて77.94円→100.54円と、20円以上上昇しました。
④2014年7月~2015年1月の米ドル円上昇相場
日銀が追加の金融緩和に動く一方、FRB(米連邦準備制度理事会)は緩和縮小に動いた影響で、米ドル円の為替レートは2014年7月~2015年1月にかけて、101.31円~119.71円まで20円近く上昇しました。
⑤2016年2月~8月の下落相場
「中国経済の先行き不安」「イギリスのEU離脱」「原油安」から、市場はリスクオフ※となりました。
※リスクオフ:リスクを取らずに安全な資産に資金が向かいやすい相場状況
そのため米ドル円の為替レートは、2016年2月~2016年8月にかけて、121.21円→102.39円と20円近く下落しました。
⑥2016年11月~2017年2月の上昇相場
2016年11月、アメリカでトランプ氏が大統領に就任し、トランプ政策への期待感からアメリカ株高が進み、リスクオン※の状態になりました。
※リスクオン:リスクの高い投資で積極的にリターンを求めようとする動き
そのため米ドル円の為替レートは、2016年11月~2017年2月にかけて101.35円~117.33円まで15円以上上昇しました。
⑦2022年4月~12月の上昇相場
ロシアによるウクライナ侵攻の影響で、物価やエネルギー価格が上昇し、各国でインフラが進み、政策金利も0.5%→4.5%へ上昇しました。その間も日本円の政策金利は変わらなかったため、急激な円安・ドル高が進みました。
このように過去10年の米ドル円の為替チャートを振り返ると、世界経済の先行きに反応して動きやすいことがわかりました。(リスクオン→ドル高・リスクオフ→ドル安)
2.アメリカドル(米ドル)円の史上最安値と、その原因
リーマンショックがあった2008年以降の米ドル円、年間最安値の推移を年別に紹介します。
- 2008年:87.10円
- 2009年:84.76円
- 2010年:80.24円
- 2011年:75.54円<最安値更新>
- 2012年:76.02円
- 2013年:86.54円
- 2014年:100.75円
- 2015年:115.85円
- 2016年:99.47円
- 2017年:107.31円
- 2018年:104.64円
- 2019年:104.45円
- 2020年:101.17円
- 2021年:102.57円
- 2022年:113.46円
- 2023年:127.15円
米ドル円の史上最安値は、2011年10月の1米ドル=75.54円です。
その原因は2点。
- 格付け会社S&Pが、米国債格付けを最上級のAAAからAA+に1段階引き下げ
(米国債が最上級の格付けを失うのは史上初) - ギリシャ発の金融危機で世界的な金融不安が発生
最安値からも、米ドル円の為替レートは世界経済の影響を大きく受けることがわかります。
3.アメリカ国内のGDP(経済)成長率見通し
さらに、GDP世界第1位のアメリカ国内の経済成長率も調べました。
2020年はコロナウイルスの影響でマイナス成長でしたが、それ以外はプラス成長です。
2011年 | 2012年 | 2013年 | 2014年 | 2015年 |
1.60% | 2.22% | 1.68% | 2.57% | 2.86% |
2016年 | 2017年 | 2018年 | 2019年 | 2020年 |
1.49% | 2.30% | 2.93% | 2.16% | -2.21% |
2021年 | 2022年 | 2023年 | 2024年 | 2025年 |
5.80% | 1.94% | 2.53% |
次に、2024年のアメリカ経済成長率です。
1~3月 | 4~6月 | 7~9月 | 10~12月 |
+1.4% | +3.0% |
今年もプラス成長が見込まれます。
4.アメリカ政策金利は為替に影響する?
米ドル円は取引量が一番多い通貨で、為替相場は非常に多くの要因から動きます。
当然、政策金利も要因の1つです。
下の図は米ドル円の為替レートと政策金利の相関図です。
2008年~2009年にかけて政策金利が下がった際は、米ドル円も下落しています。
一方、2015年~2018年の政策金利上昇時も、米ドル円は下落しています。
これらのことから、制作金利の変動は一時的に為替に影響を及ぼすことはあるものの、長期で見ると、政策金利と為替レートの間に相関関係はありません。
詳しくはこちらです
→アメリカ政策金利の推移と見通し 為替レート(米ドル円)への影響
5.2023年アメリカドル(米ドル)円の今後の見通しは?
米ドル円の今後の見通しを予想する前に過去の為替相場を振り返ってみましょう。
過去1年の米ドル円為替相場は円高傾向
下のチャートは、直近1年の米ドル円為替相場です。
ロシアによるウクライナ侵攻の影響で、物価やエネルギー価格が上昇し、各国でインフラが進み、政策金利も0.50%→5.50%へ上昇しました。その間も日本円の政策金利は変わらなかったため、急激な円安・ドル高が進みました。
2024年9月に政策金利が5.5%→5.0%に下がったことで、円安が徐々に戻っています。
テクニカル指標から見た米ドル円為替相場
下図は米ドル円ボリンジャーバンドチャートの例です。
ボリンジャーバンドに対して、今の為替レートがどうなっているかで、買い時・売り時がわかります。
- 買い時:終値が-1σを下回ったとき
- 売り時:終値が+1σを上回ったとき
※黄色の領域は+2σ以下+1σ以上、-1σ以下-2σ以上の領域
上のボリンジャーバンドはDMMFXのプレミアムチャートを利用しました。
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米ドル円の今後の見通しまとめ
過去のニュースを参考に 、ドル高要因・ドル安要因を抜き出しました。
ドル安(円高)要因
- ロシア・ウクライナ戦争のリスク
- 新型コロナウイルスによる景気後退リスク
- 米ドルの政策金利 利上げ打ち止め
ドル高(円安)要因
- 基本的に世界経済が好調
- 米ドルの政策金利上昇
- 朝鮮半島の地政学リスク後退
これらのことから、ドル高・ドル安どちらの要因も、それだけで一方的に動く強い要因はなく、為替レートは横ばいを維持するものと思われます。
よって今後1年の米ドル円為替レートは、135円~155円と予想します。
6.米ドル円の見通しに関係なく、高いスワップ益を受け取るには?
米ドル円を保有する場合、どうしても為替リスクがつきまといます。 そこで、為替レートに左右されることなく、スワップポイントのみを受け取る方法を検証しました。
→米ドル円でスワップポイントサヤ取り
高金利通貨の見通し(今後)
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