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著者:為替カバ 更新日:2021年1月1日
アメリカ政策金利の推移と見通し 為替レート(米ドル円)への影響
アメリカの政策金利推移
アメリカの政策金利は現在0.25%です。
また、過去の政策金利は、下のように推移しています。
年 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
2020 | 0.25 | |||||||||||
2020 | 1.75 | 1.75 | 0.25 | 0.25 | 0.25 | 0.25 | 0.25 | 0.25 | 0.25 | 0.25 | 0.25 | 0.25 |
2019 | 2.50 | 2.50 | 2.50 | 2.50 | 2.50 | 2.50 | 2.25 | 2.25 | 2.00 | 1.75 | 1.75 | 1.75 |
2018 | 1.50 | 1.50 | 1.75 | 1.75 | 1.75 | 2.00 | 2.00 | 2.00 | 2.25 | 2.25 | 2.25 | 2.50 |
2017 | 0.75 | 0.75 | 1.00 | 1.00 | 1.00 | 1.25 | 1.25 | 1.25 | 1.25 | 1.25 | 1.25 | 1.50 |
2016 | 0.50 | 0.50 | 0.50 | 0.50 | 0.50 | 0.50 | 0.50 | 0.50 | 0.50 | 0.50 | 0.50 | 0.75 |
2015 | 0.25 | 0.25 | 0.25 | 0.25 | 0.25 | 0.25 | 0.25 | 0.25 | 0.25 | 0.25 | 0.25 | 0.50 |
2014 | 0.25 | 0.25 | 0.25 | 0.25 | 0.25 | 0.25 | 0.25 | 0.25 | 0.25 | 0.25 | 0.25 | 0.25 |
2013 | 0.25 | 0.25 | 0.25 | 0.25 | 0.25 | 0.25 | 0.25 | 0.25 | 0.25 | 0.25 | 0.25 | 0.25 |
2012 | 0.25 | 0.25 | 0.25 | 0.25 | 0.25 | 0.25 | 0.25 | 0.25 | 0.25 | 0.25 | 0.25 | 0.25 |
2011 | 0.25 | 0.25 | 0.25 | 0.25 | 0.25 | 0.25 | 0.25 | 0.25 | 0.25 | 0.25 | 0.25 | 0.25 |
2010 | 0.25 | 0.25 | 0.25 | 0.25 | 0.25 | 0.25 | 0.25 | 0.25 | 0.25 | 0.25 | 0.25 | 0.25 |
2009 | 0.25 | 0.25 | 0.25 | 0.25 | 0.25 | 0.25 | 0.25 | 0.25 | 0.25 | 0.25 | 0.25 | 0.25 |
2008 | 3.00 | 3.00 | 2.25 | 2.25 | 2.00 | 2.00 | 2.00 | 2.00 | 2.00 | 1.00 | 1.00 | 0.25 |
2008年以降におけるアメリカの政策金利は、0.25%~3.00%の間で推移しています。(赤字:最高金利 青字:最低金利)
リーマンショック後の2008年12月~2015年11月までの約7年間、0.25%の最低金利になっていました。その後、景気の回復に合わせて、政策金利も2%以上、上がっています。
なお、FXで米ドル円のスワップトレードをする場合、FX会社によりもらえるスワップポイントが違いますので、注意が必要です。
→米ドル円のスワップポイントを比較
アメリカの政策金利は、米ドル円の為替レートに影響を与える?
米ドルは、先進国通貨の中では高金利の通貨です。
そのため、政策金利が動くことで為替レートも変動するのか、相関関係を調べてみました。
上の図は、2008年1月~2018年12月におけるアメリカの政策金利と米ドル円の相関図です。
アメリカの政策金利が上がった場合、下がった場合、変わらなかった場合で、米ドル円の為替レートがどのように変動するのか調べました。
アメリカの政策金利が上がった場合
2008年以降、アメリカの政策金利が上がったのは1回です。
①2015年12月→2018年12月
アメリカの政策金利は、0.25%→2.50%まで、2.25%上がりました。
その間、米ドル円の為替レートは、123.07円→113.54円まで下落しました。
アメリカの政策金利が上がった場合、米ドル円は
- 下落(円高)1回
です。ただし、この間の為替レートは、上の図からもわかるように一方的な円高ではなく、円高と円安が行き来するレンジ相場となっています。
アメリカの政策金利が下がった場合
2008年以降、アメリカの政策金利が下がったのは2回です。
①2008年3月→2008年12月
アメリカの政策金利は、3.00%→0.25%まで、2.75%下がりました。
その間、米ドル円の為替レートは、103.21円→95.55円まで下落しました。
アメリカの政策金利が下がった場合、米ドル円の為替相場は
- 下落(円高)1回
です。この時期は、ちょうど世界金融危機と重なっているため、
「アメリカの政策金利が下がったから、米ドル円の為替レートが下がった」
のではなく、
「世界の景気が悪くなったから、米ドルを含むすべての通貨で円高になった」
といえます。
②2019年7月→2020年3月
アメリカの政策金利は、2.50%→0.25%まで、2.25%下がりました。
その間、米ドル円の為替レートは、108.18円→107.51円とほとんど変わりませんでした。
アメリカの政策金利が変わらなった場合
2008年以降、アメリカの政策金利が変わらなかったのは以下の期間です。
①2008年12月→2015年11月
アメリカの政策金利は、0.25%で変わりませんでした。
その間、米ドル円の為替レートは、95.55円→120.58円まで上昇しました。
アメリカの政策金利が変わらなかった場合、米ドル円の為替相場は
- 上昇(円安)1回
です。この時期は、ちょうどアメリカ経済の回復時期と重なっているため、
「アメリカの政策金利が変わらなかったから、米ドル円の為替レートが上がった」
のではなく、
「アメリカの景気が良くなったから、米ドルが円安になった」
といえます。
アメリカの政策金利と米ドル円への影響 結論
これらの結果から、米ドル円の為替レートは、アメリカ政策金利の変動に対しては、あまり反応しないことがわかりました。
一方、世界やアメリカの景気には敏感に反応することがわかります。
アメリカ政策金利の見通しは?
米ドルでスワップポイント狙いの長期投資をする場合、金利の動向は利益に直結するため、政策金利の見通しを知っておくことは重要です。
アメリカの政策金利は、FRB(米連邦準備理事会)によって、FOMC(連邦公開市場委員会)の会合で決められます。
2015年 | 2016年 | 2017年 | 2018年 | 2019年 | 2020年 |
0.25%→ 0.50% |
0.50%→ 0.75% |
0.75%→ 1.50% |
1.50%→ 2.50% |
2.50%→ 1.75% |
1.75%→ 0.25% |
アメリカが利上げする理由
金利が上がると銀行の金利も上昇し、企業の設備投資が抑制され、個人の消費意欲が衰えます。利上げで良いことが起こりませんが、金利を下げると逆の現象が起こります。
つまり、景気が冷え込んでいるときに金利を引き下げることで、景気を上向きにできます。
利上げは「景気が冷え込んだ時の対応策として、政策金利を上げておく」のが主な狙いです。
事実、2008年の世界金融危機でアメリカは政策金利を2.00%→0.25%まで引き下げることで、景気を上向きにさせました。
一方、景気が悪いときに政策金利の引き上げを行うと、さらなる景気悪化を招いてしまいます。
そのため、
「景気が良いうちに利上げしておいて、景気が下がったら利下げで対処したい」
というわけです。
2015年以降のアメリカ政策金利 利上げ・利下げは各年で何回?
アメリカは2008年の世界金融危機で利下げして以降、2015年から利上げを開始し、2018年は4回利上げしました。2019年は一転して3回利下げを実施しました。
- 2015年 利上げ1回 政策金利0.25%→0.50%
- 2016年 利上げ1回 政策金利0.50%→0.75%
- 2017年 利上げ3回 政策金利0.75%→1.50%
- 2018年 利上げ4回 政策金利1.50%→2.50%
- 2019年 利下げ3回 政策金利2.50%→1.75%
- 2020年 利下げ2回 政策金利1.75%→0.25%
アメリカの政策金利を予想するうえで欠かせないのが、FRB議長の発言です。
FRBのパウエル議長の発言要約
- 2018年11月29日:「金利は中立水準をわずかに下回る」と発言し、利上げの打ち止め時期が近いことを示唆
- 2019年1月16日:「金融政策を柔軟に見直す」と発言し、利上げを慎重に判断
- 2019年5月1日:「金融政策を上下どちらかに動かす必然性はない」と発言
- 2019年10月30日:声明文から、これまで使っていた「経済成長を持続するために適切に行動する」という文言を削除←利下げ打ち止めの可能性が高まる
- 2019年12月11日:公表したFRB当局者の金利・経済見通しでは
17人中13人→少なくとも2021年まで金利変更はない
17人中4人→来年に1回の利上げが実施される
17人中0人→来年は利下げが適切となる - 2020年3月3日:利下げを決めた理由
→「利下げが新型コロナの感染率を下げるわけではないが、経済を強く後押しすると考えている」
新型コロナが封じ込められ、経済ダメージがなくなれば、利上げに転じるか?
→「スタンスを変えるのが適切だと判断すれば、ためらわずに政策変更する」
2020年のパウエル議長の発言から、新型コロナの影響で、どちらにも動きそうな不安定な状況といえます。
米国10年国債からアメリカ政策金利を予想
米国の金融政策の先行指標(今後どこまで政策金利が上がるか)としても使われる、米国10年国債※も今後の政策金利を予想するうえで、重要です。
※米国10年国債:米国の財務省が国の運営資金を集めるために発行する償還期間が10年の国債
2020年3月9日時点の米国10年国債利回り:0.608%
つまり、市場ではアメリカ政策金利がここまで上がると予想しています。
→米国10年国債最新利回り
アメリカ政策金利見通し 結論
新型コロナの状況次第ですが、10年国債の利回りから、利上げの可能性が高いです。
なお、米ドル円の今後の見通しについては、こちらで詳しく記事を書いています。
→アメリカドル(米ドル)円の見通し(今後)
米ドル投資で受け取る金利はどのFX会社を利用しても同じ?
同じ米ドルを購入しても、FX会社によって、受け取ることができる金利(FXの世界ではスワップポイントと呼ばれます)は大きく違うことがあります。
FX会社が私たち投資家に支払う金利は、アメリカの政策金利を基準に決めますが、 実際にどのくらいの金利を支払うかは、FX会社が自由に設定していいことになっています。
そのため、FX会社選びを間違えるとせっかく米ドルに投資しても、 少ない金利しかもらえなかったということになってしまいます。
どのFX会社が一番多くのスワップポイントを提供しているかは、こちらをご覧ください
→米ドル円のスワップポイントを比較
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