南アフリカランドTOP > 南アフリカランドの安全性(リスク) > 取引通貨量
南アフリカランドの取引通貨量から流動性リスクを読み取る
投資対象に対するリスクとして、流動性リスクがあります。
流動性リスクは、投資の中でも極めて重要なリスクの一つで、簡単に言うと売りたいときに売れないリスクと考えてもOKです。
投資をする場合は、しっかりと考えていく必要があります。
流動性リスクが高い投資対象として買い手が見つかりにくい不動産がまず挙げられます。
このほかにも、ほとんど売買が行われていない株式の銘柄であれば、流動性リスクが非常に高いといえるでしょう。
では、南アフリカランドはどうでしょうか。
南アフリカランドの通貨流通量
国際決済銀行が2019年に各通貨の為替取引量の割合を調査したのですが、それによると南アフリカランドは18番目に流通量が多い通貨で、その割合は全体の1.0%でした。
これって、多いのでしょうか。それとも少ないのでしょうか。
これだけではピンときませんので、1日の為替取引量はどのくらいなのか調べてみました。
調査年 | 2001年 | 2004年 | 2007年 | 2010年 | 2013年 | 2016年 | 2019年 |
取引量 (億ドル) |
1239 | 1934 | 3324 | 3971 | 5345 | 5067 | 6590 |
これによると、たった1日で6,590億ドル(日本円で約71.2兆円!)もの取引をしていることになります。
その1.0%であれば、南アフリカランドの取引が7000億円前後になります。
ちなみに、2001年の調査から為替取引量は徐々に増えているのですが、特に2010年から2019年にかけて、急激に為替取引量が増えていることについては、2008年の世界金融危機で、流動性リスクの少ないとされる「通貨」が投資家にとって魅力的な投資対象になっているためです。
では、日本の株式市場の売買代金と比較してみましょう。
市場 | 売買代金 | 全銘柄数 |
東証1部 | 2兆1157億円 | 2127 |
東証マザーズ | 1208億円 | 275 |
JQスタンダード | 347億円 | 687 |
東証2部 | 177億円 | 492 |
JQグロース | 77億円 | 37 |
東京証券取引所、東証1部上場企業の1日の全銘柄の株式売買代金が2兆円前後ですので、南アフリカランドの取引額はそれよりも少ないですが、東証1部以外の全銘柄を合わせた金額よりも多くの金額が取引されていることになります。
当然ですが、東証1部上場企業の個別銘柄1つ1つと比べると、南アフリカランドの売買代金を上回っている銘柄は1つもありません。
(2019年1月29日は、ソフトバンクが一番売買代金が多く、約600億円でした。)
南アフリカランド円は日本の金融取引所(くりっく365)では取引量第3位
順位 | 通貨ペア | 取引数量(単位:枚) |
1位 | 米ドル/円 | 836万3218 |
2位 | トルコリラ/円 | 610万9747 |
3位 | 南アフリカランド/円 | 447万5626 |
4位 | 豪ドル/円 | 287万2116 |
5位 | 英ポンド/円 | 247万7581 |
6位 | ユーロ/円 | 178万7220 |
7位 | メキシコペソ/円 | 122万6944 |
8位 | NZドル/円 | 108万1621 |
9位 | ユーロ/米ドル | 107万7450 |
10位 | 英ポンド/米ドル | 47万655 |
11位 | 豪ドル/米ドル | 22万4403 |
12位 | スイスフラン/円 | 20万746 |
13位 | カナダドル/円 | 18万8629 |
14位 | ポーランドズロチ/円 | 13万9930 |
・ ・ |
・ ・ |
・ ・ |
25位 | ユーロ/スイスフラン | 2万1565 |
あまり知られていませんが、日本の金融取引所では、基軸通貨のドル円、2018年にトルコリラショックを起こしたトルコリラ円に次ぐ、取引数量第3位の通貨ペア(25通貨ペア中)で、とても人気です。
ポンド円や豪ドル円よりも人気なのは驚きですね。
結論 南アフリカランドの流動性リスクを心配する必要はない
これらのことから、南アフリカランドの流動性リスクを心配する必要はなさそうです。
次に、南アフリカランドの為替レートの変動率や、過去の最安値とその原因について調べました。
詳しくはこちら→南アフリカランドの為替レートの推移