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著者:為替カバ 更新日:2021年4月2日
南アフリカランドへのFX投資 メリット・デメリットは?
南アフリカランドは、アフリカ大陸における経済大国としてアフリカ経済をけん引する、南アフリカ共和国の通貨です。
南アフリカ共和国 | |
人口 | 5794万人(24位/190か国中) 日本:1億2650万人 |
国土 | 121万9090平方キロメートル(24位/190か国中) 日本の約3.2倍 |
GDP | 3681億米ドル(34位/191か国中) 日本:4兆9717億ドル |
経済成長率 | 0.79%(171位/191か国中) 日本:0.81% |
インフレ率 | 4.62%(46位/191か国中) 日本:0.98% |
国債格付け | ムーディーズ:Baa2/S&P:BB+ |
おもな産業 | ダイヤモンド、金などの鉱山資源および自動車の生産 |
出典:JETRO
そんな南アフリカランドに中・長期でFX投資する場合のメリット・デメリット・注意点について、投資家目線から見てみました。
目次
南アフリカランドへのFX投資 デメリットは?
- デメリット1 変動率が高い
- デメリット2 インフレ率が若干高い
- デメリット3 情報を入手しずらい
デメリット1 変動率が高い
通貨の変動率が高いと、保有中の含み損が大きなることがあります。
そうなると、人によっては精神的にしんどくなります。
(自慢できませんが、私も経験があります!)
南アフリカランド円の為替変動率は、同じ新興国通貨のトルコリラ円やメキシコペソ円と比較すると同程度ですが、米ドル円や豪ドル円と比較すると、為替変動率は高いです。
ランド円 | 米ドル円 | 豪ドル円 | トルコリラ円 | メキシコペソ円 |
23.44% | 10.50% | 14.27% | 28.58% | 20.01% |
解決策:暴落後に購入するなどで購入のタイミングを見計らうか、毎月定期的に購入するなど、時間分散での購入があります。
デメリット2 インフレ率が若干高い
インフレ率とは、物価の上昇度合いを示す数値です。
例えばインフレ率2%だと、1年前に比べて、モノの値段が2%上がる、つまり通貨の価値が2%下がることを意味しています。
インフレ率が高い国の通貨は、時間が経過するごとに、通貨の価値が下がる傾向にあります。
南アフリカのインフレ率は、同じ新興国通貨のメキシコと比較すると同程度ですが、先進国と比較すると、若干高いです。
南アフリカ | アメリカ | オーストラリア | トルコ | メキシコ | 日本 |
3.70% | 1.8% | 1.7% | 8.55% | 3.02% | 0.98% |
解決策:変動率の高さを利用して、為替レートが割高になったときに売却する方法があります。
デメリット3 情報を入手しづらい
日本と南アフリカは、直線距離で約14000kmも離れています。
東京・大阪間が直線距離で約400kmですので、その35倍(!)も離れています。
そのため、普通に生活していると、南アフリカ関連ニュースはまず入ってきません。
通貨への投資で困るのが、ハイパーインフレとデフォルトによって、通貨の価値が大きく下がること。情報が少ないと、この予兆を知ることが難しくなります。
ただし、このデメリットにも解決策はあります。
解決策:FX会社の提供する為替情報を入手する。例えば、私はヒロセ通商が発行する為替ニュースが自分のメールに届くようにしています。
為替ニュースについては、こちらで詳しく解説しています。
→FX会社の為替ニュースを比較
また、このサイトでも南アフリカランドの見通しを月1回更新しています
→南アフリカランド円の為替見通し
南アフリカランドへのFX投資 メリットは?
- メリット1 金利が高い
- メリット2 レバレッジをかけられる
- メリット3 最近はインフレ率が下落傾向
- メリット4 何となく良いことをした気になる
メリット1 金利が高い
金利が高いとなぜいいか?
それは、もらえるスワップポイントが高くなるからです。
南アフリカランドは、政策金利3.50%と、先進国通貨と比較して、高い政策金利を設定してくれてます。
南アフリカランド | 米ドル | 豪ドル | トルコリラ | メキシコペソ |
3.50% | 0.25% | 0.25% | 19.00% | 4.00% |
日本だと、高くても定期預金で0.1%と、比べる意味がないくらい低いです。
また、いつでも解約できる普通預金だと、金利はほぼ0%です。FXの南アフリカランドだと、いつでも解約できてこの金利なので、日本の預金事情と比較すると、その凄さがわかります。
また、スワップポイントは土日祝を除き、ほぼ毎日FX口座に振り込まれます。
毎日お金が入ってくるというのも、うれしいですね♪
メリット2 レバレッジをかけられる
南アフリカの政策金利はもともと高いです。
ですが、レバレッジをかけることで、投資に必要なお金を増やすことなく、さらに多くのスワップポイントをもらえます。
下の条件で、レバレッジごとにもらえるスワップポイントを見てみましょう
条件
・購入時のランド円為替レート:7.20円
・ランド円10万通貨の1日あたりのスワップポイント:150円
レバレッジ | 1倍 | 2倍 | 3倍 |
用意する証拠金 | 72万円 | 72万円 | 72万円 |
購入通貨量 | 10万通貨 | 20万通貨 | 30万通貨 |
1日にもらえるスワップポイント | 150円 | 300円 | 450円 |
レバレッジ3倍だと、72万円に対して1日450円・年間16万4250円のスワップポイントをもらえます。年間金利では22.81%(!)です。
なお、FX会社によってもらえるスワップポイントが違いますので、なるべく高いスワップポイントを提供するFX会社を利用してください。
→南アフリカランド円のスワップポイントを比較
メリット3 最近はインフレ率が下落傾向
デメリットのところで、南アフリカのインフレ率が先進国に比べて若干高いと書きましたが、最近は徐々にインフレ率が低下しています。
そのため、南アフリカランド通貨の価値も、下落しにくくなりました。
最新のインフレ率はこちらです→南アフリカのインフレ率推移
メリット4 何となく良いことをした気になる
南アフリカは、当然アフリカの一部です。
アフリカというと、まだまだ発展途上のようなイメージを持ってしまいます。
出典:ユニセフ
別に、「FXでのランド円購入=アフリカへの寄付」ではないのですが、通貨を買い支えてアフリカにちょっぴり貢献しているかも?と思うと、何とな~く良いことをした気分になります。
南アフリカランドへのFX投資 注意点は?
注意点は2つあります。
- レバレッジをかけすぎない
- 暴落してもあせらない
レバレッジをかけすぎない
レバレッジをかけすぎると、FX会社に預けた証拠金-最低必要証拠金以上の含み損が発生すると、最低必要証拠金を残して強制決済(ロスカット)されます。
最低必要証拠金:ほとんどのFX会社で購入通貨量の1/25
下の条件で、レバレッジごとのロスカット水準を見てみましょう。
条件
・購入時のランド円為替レート:7.20円
・スワップポイントは考慮しない
レバレッジ | 1倍 | 2倍 | 3倍 | 4倍 | 5倍 |
用意する証拠金 | 72万円 | 72万円 | 72万円 | 72万円 | 72万円 |
購入通貨量 | 10万通貨 | 20万通貨 | 30万通貨 | 40万通貨 | 50万通貨 |
最低必要証拠金 | 2.88万円 | 5.76万円 | 8.64万円 | 11.52万円 | 14.4万円 |
ロスカットレート※ | 約0.29円 | 約3.89円 | 約5.09円 | 約5.69円 | 約6.05円 |
※ロスカットレートは、1ランド=7.20円の際の最低必要証拠金に固定して算出していますので、実際はもう少し低くなります。
つまり、レバレッジ5倍では、1ランド=6.05円まで下がると保有ポジションがロスカットされ、証拠金72万円のうち、最低必要証拠金14.4万円だけが手元に残るイメージです・・・
約56万円の損失!
長期投資でのロスカットは、絶対に避けたいですね。
南アフリカランドの長期投資では、ロスカットされないためにも、最大でもレバレッジ3倍までにしておきたいところです。
レバレッジ3倍でも為替レートが変わらなければ、スワップポイント収入で年20%以上のリターンが期待できます。
暴落してもあせらない
例えば、2018年1月~2018年12月にかけて、9円台から7.5円台まで為替レートが下がりました。
この時の損失はレバレッジ別に下のようになります。
条件
・購入時のランド円為替レート:9.00円
・1年後のランド円為替レート:7.50円
・1年後の合計スワップポイント:55200円(10万通貨あたり)
レバレッジ | 1倍 | 2倍 | 3倍 |
用意する証拠金 | 90万円 | 90万円 | 90万円 |
購入通貨量 | 10万通貨 | 20万通貨 | 30万通貨 |
為替損益 | -150000円 | -300000円 | -450000円 |
スワップポイント | +55200円 | +109500円 | +164250円 |
合計損益 | -95250円 | -190500円 | -285750円 |
特にレバレッジ3倍では、30万円近い損失が出ています。
このような暴落時に、絶対にあせって決済してはいけません。
私も含み損を抱えることがありますので、あせる気持ちはよく分かるのですが、ここはグッと耐える場面!
下の表は、辛抱強くもう1年待った場合の為替差損です。
条件
・購入時のランド円為替レート:9.00円
・2年後のランド円為替レート:7.50円
・2年後の合計スワップポイント:109500円(10万通貨あたり)
レバレッジ | 1倍 | 2倍 | 3倍 |
用意する証拠金 | 90万円 | 90万円 | 90万円 |
購入通貨量 | 10万通貨 | 20万通貨 | 30万通貨 |
為替損益 | -150000円 | -300000円 | -450000円 |
スワップポイント | +109500円 | +219000円 | +328500円 |
合計損益 | -40500円 | -91000円 | -121500円 |
損失がだいぶ軽減されていますね。
保有後に暴落しても、しばらく持ち続けると、スワップポイントの利益が為替差損を上回る可能性が出てきます。
まとめ
デメリット
- デメリット1 変動率が高い
解決策:暴落後に購入するなどで購入のタイミングを見計らうか、毎月定期的に購入するなど、時間分散で購入 - デメリット2 インフレ率が若干高い
解決策:変動率の高さを利用して、為替レートが割高になったときに売却 - デメリット3 情報を入手しずらい
解決策:FX会社の提供する為替情報を入手
メリット
- メリット1 金利が高い
- メリット2 レバレッジをかけられる
- メリット3 最近はインフレ率が下落傾向
注意点
- レバレッジをかけすぎない
- 暴落してもあせらない